棚卸が重要なワケとは?基礎知識から効率化へのポイントをまとめてみました

Last Updated on 2021年8月27日 by art-mylogi

正確な在庫数の把握や、保管している在庫の品質などの確認を行う棚卸業務は、ECサイトを運営するうえで欠かせない業務です。しかしながら、すべての在庫に目を通したり、正確な数値を効率よく把握したりすることは、容易ではありません。
今回は、棚卸について、目的ややり方、実施すべき時期や頻度、効率的かつ高い精度で行うためのポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください!

棚卸(たなおろし)とは?

棚卸(棚卸し)とは、ある時点で所有する商品の在庫数を数え、資産を評価することです。在庫数の正確な数値を把握することで、期末の棚卸資産を確定させることができます。

棚卸をより噛み砕いて言えば、読み方からもわかるように、「棚からおろして在庫を数えたり、点検したりする」ことです。実際には、商品の在庫数を数えるだけでなく、商品の状態や品質も並行して点検、把握することが理想とされています。

以下、棚卸を理解するうえで、抑えておくべき3つのキーワードをご紹介します。

棚卸資産

棚卸資産とは、在庫つまり「企業が将来的に販売し、利益を生み出すために一時的に保管しているもの」を意味します。具体的に、商品または製品、作成途中の仕掛品、元となる原材料が含まれます。

棚卸高

棚卸高とは、棚卸で確認した在庫の総額を意味します。該当年度のはじめには「期首棚卸高」、年度の終わりには「期末棚卸高」を算出します。

棚卸表

棚卸表とは、棚卸の際に確認する在庫数や各商品ごとの総額などを記入して管理する表を意味します。一般的に記入すべき項目として、棚卸の実施日、商品名や商品コード、在庫数、総額などが挙げられます。

棚卸を行う目的とは?

棚卸を行う目的は以下の通りです。

①正確な利益の把握

棚卸で行うべきこととして、「在庫数の把握」「在庫の状態確認」が挙げられます。前者の数値を正確に把握することは、単に商品の在庫数を知るだけでなく、正しい利益を算出することにつながります。

ここでは、「利益=売上ー原価(売上原価)」であり、原価は「実際に売上となった商品の仕入額」をさします。入荷した商品全体の仕入額ではないため、注意が必要です。そのため、棚卸で在庫数を把握することは、すなわち「売上にならなかった商品の数を調査すること」となります。正確な在庫数を把握することで、上記の式で当てはめる「原価」のより正しい数値を求めることができ、結果として利益に関する、正確な数値を算出することにつながります。

②適切な在庫管理を行う

上記の棚卸で行うべきことの2つ目に挙げた「在庫の状態確認」を行うことで、より適切な在庫管理を行うという目的も挙げられます。棚卸では、すべての在庫を点検する必要があり、日々の入出荷後の検品業務と比較して、より多くの在庫状態を把握することができます。

したがって、棚卸を実施することで、売れ残ってしまった「滞留在庫」や思う通りに売れなかった「不良在庫」などを把握することにもつながります。過剰に抱えてしまっている在庫を削減し、適正在庫で算出する数値に基づいて在庫を整理することにつながります。

③販売機会の損失防止

また、棚卸を行うことで、劣化してしまった商品がないことも合わせて確認し、すべての商品をいつでも発送できる状態にしておく必要があります。多くの在庫を抱えていると「在庫はあるが、状態がよくないため、販売することができなかった…」など、思わぬ場面で販売機会を逃してしまうことも少なくありません。棚卸を通して、在庫の品質管理を行い、利益の最大化を図りましょう。

④帳簿とのすり合わせ

とくに、実地棚卸を行う際には、在庫数は帳簿への記載が必須となります。そのため、棚卸を通して、帳簿上の在庫数と、実際の在庫数(実在庫数)の数値が同一であるか、確認する必要があります。もしも両者の数値が異なる場合は、「どこのポイントで、なぜ違いが生じてしまったのか」と原因を追求する必要があります。日々の検品業務の見直しや、それ以降の棚卸業務での再発防止につなげましょう。

棚卸を行うべき時期と頻度とは?

一般的に、棚卸は年度はじめの「期首」と年度終わりの「期末」つまり決済の時期に実施することがほとんどです。期首では、その時点での在庫状況を明らかにしします。期末では、決済日当日には、正確な在庫数の把握や帳簿とのすり合わせなどが終了している必要があります。そのため、多くの在庫を抱えている場合であれば、決済日の当日よりも数日前から行うことがほとんどでしょう。

期首棚卸高

期首棚卸高とは、該当年度の開始の時点で所有する在庫の総額を意味します。前年度から繰り越された在庫を含みます。

期末棚卸高

期末棚卸高とは、該当年度の終了時点、つまり決済を提示する際に所有する在庫の総額を意味します。

両者を算出することで、利益の算出に必要な原価(売上原価)を求めることができます。

求め方利益=売上ー原価(売上原価)
原価(売上原価)=期首棚卸高+年間の仕入高ー期末棚卸高

棚卸を行う頻度は、各会社によって異なります。上記の通り、棚卸は、正確な利益や在庫状態の把握、経営判断のために行うもので、決済時期には必須の業務です。しかしながら、実際には年に1度だけでなく、半年にや四半期に一回または月末など、より短期間で行う場合もあります。

棚卸業務は、作業に手間や時間がかかってしまい、優先度が低くなってしまいがちですが、年に複数回行うことで、より正確な数値を把握したり、在庫の品質維持を実現したりすることができます。自社で抱える在庫数や在庫の状況、事業規模、在庫管理における課題などを踏まえ、自社に合った棚卸の時期や頻度を設定する必要があります。

棚卸の基本的なやり方とは?

棚卸の手順は3段階に分けることができます。

①実地棚卸

実地棚卸とは、実際の在庫の数量や状態を確認し、帳簿上の数値とすり合わせることです。一般的な手法として、棚卸表を作成し、確認作業と並行して、数値を記入することが挙げられます。棚卸表では、所有する在庫の「商品または製品名」「商品コード」「単価」「在庫数」「総額」「備考(在庫状態について)」などの項目を設定しましょう。

②帳簿棚卸

帳簿棚卸とは、帳簿上の数字のみを用いて在庫数を確認することです。帳簿上のデータとは、手書きやエクセル、計算ソフトなど、手動での作業が必要となる管理方法に加えて、作業の自動化やデータの一元管理を行う、在庫管理システムなどで管理する数値を意味します。

③実地棚卸と帳簿棚卸のすり合わせ

実際の在庫を確認する実地棚卸で算出した数値と、在庫に関するデータを用いる帳簿棚卸で算出した数値を照らし合わせ、両者が同一の数値であるかの確認を行います。

なかには、実地棚卸を行わず、帳簿棚卸のみで棚卸を行うケースもあります。しかし、帳簿棚卸では、実際の在庫数や状態を確認する訳ではないため、必ずしも数値が正確であるとは言い難いでしょう。そのため、実地棚卸と合わせて行うことをおすすめします。

また、多くの場合で、両者の数値に違いが生じます。ここで、数値を統一するだけでなく、差異が生じてしまった原因を明らかにする必要があります。

実地棚卸の種類

すべての在庫を確認する必要のある実地棚卸は、「一斉棚卸」と「循環棚卸」の2つに分けることができます。それぞれご紹介します。

一斉棚卸

一斉棚卸とは、棚卸以外のすべての業務を中断し、在庫が完全に動かない状態で行う棚卸です。棚卸の最中に在庫の動きが起きないため、正確な数値を把握することができるため、棚卸の精度を高めることができます。しかしながら、それ以外の業務を止める必要があり、販売機会損失や、その他コア業務での生産性の低下が考えられます。

棚卸の目的である、「正確な在庫数の把握」を実現することができるため、一般的には一斉棚卸で行うケースがほとんどですが、自社の事業内容や規模、状況などに合わせて判断するようにしましょう。

循環棚卸

循環棚卸とは、限定した業務のみを中断し、棚卸以外の多少の業務を遂行しつつ行う棚卸です。最大のメリットとして、他の業務を中断することなく、棚卸を行うことができる点が挙げられます。ただし、棚卸の最中に在庫数が変動する可能性や、複数回に分けて行う必要性があり、数値のズレが生じたり、古くなってしまったりすることで、一斉棚卸に比べて、棚卸の精度が低くなってしまいます。

在庫管理システムを利用することで、循環棚卸での精度の向上を図ることができます。システムで在庫の動きを確認するだけでなく、日頃から適切な在庫数の管理を徹底して行いましょう。

棚卸でミス・ズレが生じる原因とは?

多くの業務を伴う棚卸にて、ミスやズレが生じてしまう原因として考えられる点は以下の通りです。

原因・複数の担当者間の連携不足
・在庫の数え漏れ
・重複したカウント
・在庫数が変動した際の記入漏れ
・入荷後に行う検品での確認不足


棚卸において、実際の在庫数とデータ上の数値に差が生じてしまうことは、頻繁に起こります。正確な数値をより効率よく把握するためには、ズレが発生した原因を突き止め、対策を講じる必要があります。

精度の高い棚卸を効率よく行うためのポイント

①慎重に作業に着手する

棚卸業務で頻繁に生じる課題として、数値のズレが挙げられます。手作業で行う場合、とくに各担当者が慎重に行う必要があります。在庫数の確認漏れだけでなく、複数の担当者同士での、伝達ミスでも数値の大きなズレにつながり兼ねません。さらに、複数の担当者で行う場合は、重複して在庫数を数えてしまうという事態も起こり得ます。

多くの手間と時間がかかってしまう棚卸業務にて、より正確な数値を求めるためには、担当者間での連携に加えて、厳密なデータ管理を行う必要があります。棚卸を実施する前に、棚卸で求める数値記入方法をはじめとした管理の仕方について、自社ルールを社内で浸透させましょう。

②日頃の検品業務を徹底する

とくに、帳簿棚卸を行う際には、帳簿で管理するデータのみで在庫数を算出します。在庫実物を確認することができないため、日々の検品作業の際に、在庫の状態を入念にチェックする必要があるでしょう。また、入出荷や返品に伴う在庫の変動を正確に記録しておくことで、データ上でより正確な在庫数を、比較的短時間で把握することが可能になります。

③在庫管理システムを利用する

エクセルによる管理では、手動での入力作業が伴うため、必ずしも正確な数値を管理できるとは断言できません。そこで、より正確な数値を確実に管理することのできる在庫管理システムの利用がおすすめです。なかでも、バーコードやQRコードなど、専用コードをハンディターミナルで読み取り、システムへデータを自動で反映させることで、すべての業務を自動且つ短時間で行うことができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。棚卸は、売上の動向や正確な利益を把握するために欠かせない業務ですが、作業に時間と手間がかかることに加え、ズレが生じやすく、在庫管理において苦労する業務の一つです。正確な数値を伝達するための業務マニュアルを自社で構築し、浸透させたり、業務を自動化できるシステムを導入したりなど、自社にあった施策で棚卸業務の効率化を図りましょう。ぜひ参考にしてみてください!

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