在庫管理における「先入れ先出し」とは?行うべき理由やメリット、手法についてご紹介

Last Updated on 2021年8月30日 by art-mylogi

こんにちは。ECサイト運営において、適切な在庫数を算出したり、在庫商品の品質維持を図ったりなど、在庫管理に関する悩みは尽きません。今回は、在庫管理の基本ルールとして知られている「先入れ先出し」について、目的や実践すべき理由、発生し得る問題、対策、メリット・デメリット等についてご紹介します。

【目次】

物流におけるFIFO/ First in, First out(先入れ先出し)とは?

物流管理における「先入れ先出し」という用語に加え、財務や会計においても、計算方法の一種である「先入先出法」が存在します。本記事では、「物流」における「先入れ先出し」について解説します。

物流における「先入れ先出し」は、英語では“FIFO”(First in, First Out)と表記されます。商品の在庫管理において、入庫日時の古い商品(使用・賞味期限が早い、製造日が古い商品)から順番に出庫することを意味します。

在庫商品の鮮度、すなわち品質を維持するための基本的なルールで、とくに製造業や卸売業、小売業などで重視されています。そのため、小売業に多いECサイト運営において、在庫管理における「先入れ先出し」の概念は見落とすことのできないポイントとなっています。

なぜ在庫管理において「先出し先入れ」が重要なのか?

在庫管理において、商品の「先入れ先出し」が重要視される理由は以下の通りです。

商品の品質を維持するため

商品を入荷した順、つまり古い商品から販売することで、品質不良を防ぎ、在庫の廃棄を最低限に減らすことができます。

「先入れ先出し」を怠り、新しく入荷した商品を先頭に並べ、早くに出荷してしまうと、古い商品は棚の奧、もしくは下の方へと追いやられ、気づいた時には販売期限が過ぎていたという状況に陥ってしまいます。

そのため、商品の「先入れ先出し」を常に行うことで、古い商品から順に販売することを実現し、余分な廃棄の発生を防ぐことができます。

在庫の数量に関して正確な数値を把握するため

在庫の先入れ先出しを行うことで、倉庫や棚における在庫の並び方を整頓させることにつながります。入荷順を無視して乱雑に保管することで、棚卸しの際に混乱を招く可能性もあります。反対に、作業員全員が在庫の先入れ先出しをしっかりと行なっている状態であれば、棚卸しの際により簡単に、そして迅速に正確な在庫数を把握することにつながります。

とくに、バーコードなどを用いずに、手作業で在庫管理を行う小規模のEC店舗であれば、ミスの発生を防ぐためにも、在庫の先入れ先出しを徹底する必要があります。

在庫管理における「先入れ先出し」の注意点

先入れ先出しで在庫管理を行うことで、商品の品質維持や正確な在庫数の把握を実現できる一方で、作業工数が増えることも事実です。そのため、社内で「先出し先入れをどの程度重視するのか」について明確に設定する必要があります。

賞味期限が明記されている食品や、使用期限のある医療費・ケミカル品などを扱う事業では、先入れ先出しの重要度は高まり、むしろ基礎中の基礎のルールとして定める必要があります。また、BtoB型のECで多い、半導体や電子部品などにおいても製造日・DATEDODEが明記されているため、品質維持のために、先出し先入れを意識する必要があるでしょう。
しかしながら、雑貨や衣類など、上記の商材と比較して、鮮度が商品に直接影響を与えないものに関しては、在庫の先入れ先出しを絶対的なルールとして設定する必要性は高くなく、できる限りで行えば良いという認識をもつことでも良いでしょう。

したがって、在庫管理における先入れ先出しの重要度は商材や各企業、ECサイトの規模感にもよります。そのため、自社ルールを明確に設定し、社内で浸透させることが必要となります。

倉庫や棚などでの在庫管理で「先入れ先出し」を行うメリット

「先入れ先出し」を実施することのメリットは以下の通りです。

メリット①商品の長期滞留を防ぐことができる
②倉庫内・棚などの保管場所が整頓される
③ECサイト自体の品質向上につながる

メリット①商品の長期滞留を防ぐことができる

繰り返しになりますが、商品の先入れ先出し=入荷した順(古い商品から順に)出荷するを実施することで、商品の長期滞留を防ぎ、品質を維持した状態で出荷することにつながります。

賞味期限や使用期限などの期限が明記されていない商品であったも、保管する時間が長期化してしまうと、商品が劣化してしまいます。先入れ先出しは、そのような商品のロスを削減することにもつながります。

メリット②倉庫内・棚などの保管場所が整頓される

在庫商品の先入れ先出しの社内での徹底は、「だれが・いつ見てもわかるような環境」なしには不可能であるといっても過言ではありません。そのため、倉庫や棚などの保管場所を整頓することで、商品の種類や入荷した時期によって、商品をわかりやすく分別することにつながります。

メリット③ECサイト自体の品質向上につながる

消費者がオンラインショッピングに求めることは、商品や品質に加えて、「注文から手元に届くまでのスピード」であるといえます。先入れ先出しで在庫管理を行うことで、各商品の品質を維持することに加え、保管場所が整理されていればいるほど、出荷までの時間を短縮し、お届けまでのスピードを高めることができます。

そのため、先出し先入れを社内で徹底することで、ECサイトにおけるお客様満足度や、サイト全体のクオリティを高めることにつながります。

在庫管理の「先入れ先出し」に伴うデメリット

先入れ先出しにおけるデメリットや注意すべき点についてご紹介します。

デメリット①管理すべきデータ量の増加
②作業工数の増加

デメリット①管理すべきデータ量の増加

先入れ先出しで在庫管理を行う場合、対象となる商品、商品番号、入荷日、賞味期限・使用期限・製造日、出荷期限などのデータを管理する必要があります。
これら複数のデータを入力する業務も増えるだけでなく、一括で管理をしなければ、細いズレが生じてしまい、結果できに商品を余分に発注してしまうという事態も招きかねません。

複数、且つ膨大なデータ量の一元管理に不安を抱える場合は、エクセル等での管理方法の見直しや、一元管理を可能にするシステム導入の検討を行うことをおすすめします。

デメリット②作業工数の増加

先入れ先出しの実施に伴い、増加したデータの入力業務に加え、保管場所での現場業務の増加も発生します。商品の入荷のたびに「古い在庫を一旦、倉庫内の保管スペースや棚から取り出し、新しく入荷した商品を先に入れ、再度古い商品を戻す」という業務が発生します。作業工数の増加に伴い、作業の煩雑化も避けにくくなります。

そのため、台車や入荷日ごとのシールを貼って、商品の出し入れ業務をなくしたり、保管場所を変えて、入荷日ごとで商品を分けたりすることで、作業工数を最低限に抑える工夫が必要になります。

在庫管理で「先入れ先出し」を行う際に発生し得る問題とは?

在庫管理の先入れ先出しを実施する際に、起こり得る代表的な問題は以下の通りです。

「商品の状態の見分けがつきにくい」

在庫の先入れ先出しを実施する際には、同一の商品であっても、入荷順に分ける必要があります。社内入荷後の配置などに関するルールを設定しなければ、商品の見分けがつきにくくなってしまいます。

「作業員によって作業が異なり、作業の標準化がされない」

在庫管理の先入れ先出しを徹底するためには、上記の「商品の状態を明確に見分けられる」ようにすることが必要です。しかしながら、各作業員でやり方が異なり、先出し先入れを徹底できないというケースは少なくありません。作業員全員が同一の方法で行わなければ、入荷順を誤って認識したり、期限の確認に余分な時間をかけたりすることになります。

「情報量・作業工数の増加で、作業が煩雑化」

先入れ先出しの実施に伴い、入荷日や期限、その他の商品情報など、管理すべく情報量や作業工数が増加します。扱う商品の数量が多かったり、人手が足りていなかったりする場合、第三者による作業工程の定期的な確認なしには、作業の煩雑化を避けることは困難になってしまいます。

在庫の「先入れ先出し」で発生しやすい問題への対策とは?

メリットがある一方で、デメリットや問題点も複数みられる、先入れ先出しにおいて、作業フローの一環として確立するための施策5つをご紹介します。

対策①商品状態を明確にする

先出し先入れを実施する大前提として、商品の状態を一目で見分けられるようにする必要があります。同一の商品を区別する場合、入荷日や期限、ロットno. が明記されたシールもしくは、貼るだけでいい「カラーシール」の利用が効果的です。

対策②商品の配置方法を工夫する

配置方法を工夫することで、先入れ先出しで発生する「古い商品を出し、新しい商品を先に入れ、再び古い商品をしまう」という業務を縮小することができます。具体的に台車を用いて管理したり、両側から出し入れできるを設置したりすることが挙げられます。

また、倉庫内でのロケーション管理も有効です。商品の配置場所を指定する「固定ロケーション」に対し、倉庫内のスペースの有効活用を目指すべく「フリーロケーション」も近年では着目されています。自社が扱う商材や、社内での浸透度などに合わせて、ぜひ試してみてください!

対策③適正在庫を把握する

「多すぎる」在庫量を保管している場合、商品の廃棄が増えるだけでなく、先入れ先出しでの作業工数や管理する情報量も増えます。それによって、作業の煩雑化を促進させ、ミスを誘発してしまうことも考えられます。そのため、自社の適正在庫を算出し、それに基づいた入荷を実施することで、効率よく先出し先入れを行うようにしましょう。

対策④保管場所で「3S」を実行する

ここでの3Sとは、「整理」「整頓」「清掃」を意味します。商品状態を一目でわかるようにしたり、保管場所における商品の配置方法を工夫したりするには、保管場所を清潔に保つ必要があります。基本的なことではありますが、モノの出入りが激しい場所であるからこそ、日頃から3Sを意識することで、「なにが・どこに・どれくらいあるか」を明確にし、作業効率の向上につなげましょう。

対策⑤社内ルールの浸透

在庫管理において、先出し先入れを徹底するためには、社内での明確なルールを設定し、少なくとも関係者全員には浸透、且つ共有する必要があります。とくに、倉庫などで現場の作業員が複数在籍する場合は、作業員への教育に注力する必要があります。また、作業の煩雑化を防ぐためにも、第三者が定期的にチェックすることも有効です。場合によっては、抜き打ちチェックを行うことで、業務の精度をより高めることもできます。

在庫管理で「先入れ先出し」を実現する方法

在庫管理で先入れ先出しを実現する方法として、社内での明確なルール設定について言及してきました。しかし、ECサイトの拡張に伴って、扱う商品の数量が増加し、ルールに基づいた人手による作業では限界があります。また、膨大な商品データを管理する際に、ミスやズレの発生を防ぐためにも、一元管理を行う必要性が出てきます。

そこで、おすすめなのが、在庫管理システムや倉庫管理システム(WMS)の導入です。前者であれば、入荷した商品やそれにまつわる情報、後者では入出庫管理や棚卸管理における情報の一元管理を実現します。システムによる確実な一元管理で、情報入力の際のミスや漏れなどを防ぐことができ、作業全体の業務効率を向上させることができるでしょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。在庫管理で先入れ先出しを実施することで、商品の品質維持を実現することができる一方で、作業工数の増加や社内での浸透の難しさなど、問題点も存在します。そのため、社内で明確なルールを設定したり、定期的な確認を実施したりすることが必要でしょう。また、データの一元管理や作業の自動化を行うシステムを導入することで、在庫商品の先入れ先出しに限らず、一連の物流における業務効率を向上させることにもつながります。ぜひ参考にしてみてください。

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