ECでのセット商品販売のメリット・デメリットとは?セット商品対応の物流システムもご紹介!

こんにちは。ECサイトでの売上向上の施策として、セット商品の販売を検討していらっしゃるご担当者様も多いのではないでしょうか。セット商品には売上向上におけるメリットもある一方で、多くのデメリットや注意点があることも事実です。
今回は、EC運営ご担当者様に向けて、セット商品のメリット・デメリット、セット商品対応のおすすめ物流システムもご紹介します。

セット商品とは?

セット商品とは、「単品商品を複数組み合わせて販売する商品」です。同一の商品を2個以上でまとめて販売するものや、複数の異なる商品を組み合わせて1つの商品とするものがあります。

ECサイトで頻繁に見られるセット商品の例として、前者であれば、同一商品の「味」「色」が異なるものの組み合わせ、後者であれば、「同系列・関連したもの(特定のシーンで同時に利用できるもの)」「コーディネートできるもの」などといった、テーマに沿った商品を複数組み合わせるものなどが挙げられます。

セット商品における、消費者側の最大のメリットとして、「バラでの購入よりも単価をおさえて購入できること」が挙げられます。また、「ギフトセット」「お試しセット」「お気に入り商品・必需品のまとめ買い」「イベント用(ハロウィンやクリスマスの衣装など)」など、セット商品に対する代表的なニーズとしては、「一度にまとめて購入したい」「見栄えの良さ」「ラッピング作業をなくす」などが挙げられるでしょう。

消費者のニーズを踏まえ、ECでの売上を最大化すべく、販売するセット商品の内容や時期などを設定する必要があります。

バンドル効果(Bundle Effect)とは?

セット商品販売を検討する際に、おさえるべきキーワードが「バンドル効果」です。

バンドル効果とは、「複数の商品を組み合わせて販売する=セット販売を行うことで、売上が上がる」という法則です。セット商品の販売で売上が向上する要因として、以下が挙げられます。

要因・販売個数全体を増やすことができる
・利益率(利益÷価格×100)の高いものと低いものを組み合わせることができる
・在庫状況に合わせて、在庫をなくすことができる

したがって、セット商品の販売では、自社の在庫状況をみながらセット商品の構成や販売を変動させ、商品在庫を調節しつつ利益を抽出することが可能になります。

セット商品を販売するメリット

セット商品を販売する際のメリットは以下の通りです。

①在庫削減

バンドル効果からもわかるように、セット商品販売の最大のメリットは、在庫状況に合わせて在庫を削減できる点といえるでしょう。セット商品にすることで、単品での販売と比較しても、販売数量も増やすことができます。

②客単価の向上

売上を「客数×客単価」と定義すると、売上向上を図る際に、欠かせない要素の一つとして「客単価の向上」が挙げられます。商品をセット商品で販売することで、同一商品の単品での販売と比較して、一回の購入における客単価を上げることができます。

③労力、コスト削減

受注〜発送で発生する作業として、ピッキングや梱包などが挙げられます。さらに、コストとしては、梱包費や送料があります。複数の商品が同時に購入されるセット商品では、単品商品の際に毎回発生する、これらの作業や料金を1回にまとめることができます。

また、クラウド型の受注管理システムを利用している場合であれば、受注件数や商品の数量で月額費用が変動することがほとんどです。セット商品での販売を行うことで、できる限り余分となり得る件数、数量を抑えることで、システムの固定費の増加を防ぐことも可能になります。

④リスクが低い

セット商品を販売する際、ほとんどの場合では、在庫にある商品からセット商品を構成します。真新しい商品を仕入れる必要もなく、在庫状況をみながら調節することができるため、低いリスクで行うことができます。ただし、在庫回転率を算出して商品の出入り状況を把握したり、在庫状況をしっかりと分析したりすることが求められます。

また、セット商品で販売することで、単品商品に加えて、商品の露出機会を増やすことにもつながります。

セット商品販売の際のデメリット

セット商品販売の際のデメリットは以下の通りです。

①倉庫内業務が複雑になる

商品を単品で販売するのと比べて、セット商品では受注から配送までの業務工数が増え、且つより複雑になり、結果として煩雑化を招きかねません。

たとえば、単品商品(A)と、(A)の商品を複数個まとめたセット商品(B)があるとします。

ショッピングサイトやカートシステム上、伝票上では、(A)と(B)は、別商品としてそれぞれ区別されています。

しかし、在庫管理は少し複雑になります。同一の商品を扱う(A)と(B)では、在庫を厳密に分けていない場合、(B)=セット商品を梱包するために、(A)=単品の在庫から調達する必要があり、それぞれの在庫が混同してしまうということが起きます。

それに伴って、各サイト上での在庫引当業務や、実際の在庫確認等に、細心の注意を払って行わなければなりません。また、社内での明確なルールが設定されない場合、大きなミスや欠品につながってしまいます。

②商品マスタも複雑になる

①からわかるように、注文上では、同一商品の単品とセット商品が区別されていても、在庫管理においては混同していることが多々あります。そのため、両者の在庫上での区別や、該当の商品コードなどの商品マスタがセット商品を指すという事実が曖昧になっていると、誤って在庫の引当を行ってしまったり、欠品扱いになってしまったりすることもあります。

とりわけ、アウトソーシングを利用している場合などは、サービスの委託先との密な連携が必要になります。

③販売機会の損失

同一商品の単品(A)とセット商品(B)の在庫をそれぞれ分けて管理する場合、適切な在庫数を設定していなかったり、売上状況によって在庫を柔軟に変更できるシステムが整っていなかったりすると、販売機会の削減につながりかねません。

代表的な例として、市場のニーズや売上傾向の分析を十分に行なっていなかったことから、セット商品=(B)の在庫を過剰に設定してしまい、商品の在庫はあるにもかかわらず、よりニーズの高い単品=(A)で欠品状態になってしまうことが挙げられます。両者の販売機会を最大限に活かすために、適切なニーズ把握、在庫数設定を行うことが必要となります。

セット商品の販売を実施する際の注意点

セット商品の販売を行ううえで、注意すべき点についてご紹介します。

①確実な情報伝達

上記の通り、同一商品を単品とセットの両方で取り揃えている場合、受注情報と出荷時の情報においてなんらかの差異が生じます。「各商品の在庫をどこから引き当てるのか」「受注後、だれがどのタイミングで引当を行うのか」について明確なルールを設定し、作業員をはじめとし、社内で浸透させる必要があります。

②商品コード、JANコード(バーコード)のすり合わせ

セット商品の商品コードにおいて、「該当の商品コードがセット商品であること」「セット商品の受注後、在庫のカウント方法」について、明確にする必要があります。とくに、アウトソーシングサービスを利用している場合は、委託先と連携し、販売機会の損失を防ぎましょう。

③「どの在庫を使うのか」を明確化

繰り返しになりますが、セット商品の受注後、どの在庫を使って梱包作業を行うのかについて明確にする必要があります。とくに、ギフトセットや福袋など、異なる種類の単品商品を複数組み合わせる場合は、セット商品を梱包するために、単品商品の在庫を使うのか、その際の在庫引当はどのタイミングで行うのか、などについて明確に設定しましょう。

受注後、手作業で梱包作業を行う場合は、ミスが起こりやすいポイントであるため、細心の注意を払う必要があります。

セット商品の販売を実現するための解決策

複数のデメリットや注意点が目立ってしまうセット商品販売を実現すべく、施策についてご紹介します。

①消費者のニーズをより理解する

同一商品の単品に加えて、セット品としても販売することから、消費者に対して「セット商品で購入するメリット」を明示する必要があります。また、ギフトセットや、福袋をはじめとした季節限定商品など、作業も複雑になるセット商品を販売する場合は、販売する目的を社内でも明らかにする必要があるでしょう。

市場ニーズの調査に加えて、在庫回転率を算出することで、在庫状況を的確に分析、把握することも有効な手段になります。

②システムを導入する

セット商品に対応可能な物流システムや受注管理システムを導入することで、セット商品の販売に伴うミスを防ぐことができます。

システムでは、在庫の自動引当や、在庫の数量・状況の一元管理を実現し、リアルタイムで在庫変動を行うことで、欠品状態での受注を防ぐことができます。

また、同一商品の単品、セット商品のそれぞれで販売できる数を計算したり、それぞれの上限を設定したりすることもできるため、手作業で誘発してしまう「販売機会の損失」を削減することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ECサイトでのセット商品の販売は、商品の露出機会を増やしたり、売上向上につなげたり、などのメリットがある一方で、注意すべき点も複数あります。
セット商品に関する社内ルールを設定したり、ミスを最低限にすべく、システムを導入することで、よりスムーズにセット商品の販売を実現することができるでしょう。ぜひ参考にしてみてください!

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