「在庫削減」のメリットや方法は?おすすめの在庫管理システムまで紹介!

在庫削減のメリットは?在庫削減を行う方法は?と気になっていませんか。

結論、在庫削減を行うメリットは「キャッシュフローの最適化」「保管場所や維持経費の最適化」「商品の品質維持」ができること。

また在庫削減を行う方法としては「在庫の種類を減らす」「作業工程をスリム化する」「在庫管理システムを導入する」といったことが挙げられるでしょう。

この記事では、他にも在庫削減を行う際におすすめの在庫管理システムや在庫削減を行う際の手順などを紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。

執筆者

佐藤 美樹

アートトレーディング株式会社の専属WEBライター。
ECサイト運営では、SEOやSEM、SNSマーケティングの導入・運用を担当。現在はECサイト運営や物流に関する記事の執筆を行う。

監修者

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
現在は、Shopify Expert Partnerとして、ECサイトの新規出店支援はもちろん、売上改善や業務改善などのコンサルティングを手掛けている。

在庫削減を行うメリットや効果

ここでは、在庫削減を行うことで得られるメリットや、在庫改善における効果についてご紹介します。

①キャッシュフローの最適化

在庫数を減らすことで得られるメリットの1つとして、「キャッシュフローの最適化」が挙げられます。前提として、ほとんどの場合、商品の仕入れは現金で行われるため、「在庫=資産(現金がかたちを変えたもの)」であるという認識を持つ必要があります。
そのため、在庫が売れ残ってしまうと、仕入れにかかったコストを回収、つまり利益を生み出すことはできず、自社の資産は減少したままとなります。在庫は現金がかたちを変えたものではありますが、売れ残りの廃棄商品となってしまえば、現金のように自由に運用することはできません。そこで、需要予測に基づき、欠品を防ぐために最適な数値である「適正在庫」を基準とした在庫の削減を行うことで、キャッシュフローの悪化を防ぐことにつながります。

②保管場所や維持経費の最適化

売れ残った在庫を処分する場合、廃棄にもコストが発生します。さらにいえば、廃棄にかかる処分コストだけでなく、仕入れ、入庫、管理、出庫など、商品が保管場所に入ってから出るまでの作業にも無駄が生じてしまいます。
適正在庫に基づいて在庫を削減することで、それらの余分なコストや作業工数の削減を実現できるだけでなく、保管場所や賃貸料、光熱費といった維持経費、さらに管理に要する人件費などの最適化を見込むことができます。

③商品の品質維持

欠品防止のために、多くの在庫を保有していても、長期間にわたる保管になれば、自然と商品の品質も低下します。さらに、品質だけでなく、トレンドや市場ニーズの変化、賞味期限切れなど、商品そのものの価値が下がってしまい、結果的に想定していた価格を下回っての販売や、廃棄商品となってしまうことも少なくありません。
したがって、適正在庫で算出した数値目標を基準に、それまでの在庫数を減らすことで、商品在庫全体の品質や価値の維持につなげることができます。とくに、実物を手にとって見えないECサイトの場合、商品の品質がユーザーの期待を下回ることがあれば、リピート顧客を獲得する機会を逃すことにもつながりかねません。反対に、顧客の期待を上回る価値を提供できれば、リピート層の獲得や口コミでの拡散など、ECサイト全体の評価向上にもなり得るでしょう。

在庫削減を考えたときにに実践したい3つの方法

実際に在庫削減をする場合、以下の方法を実践してみるのがおすすめです。

①在庫の種類を減らす
②作業工程をスリム化する
③在庫管理システムを導入する

それぞれ見ていきましょう。

①在庫の種類を減らす

在庫の数量は、保有する在庫の種類と、それぞれの数を掛け合わせた数値の合計で示すことができます。

そのため、在庫削減の手段として、在庫の種類を見直すようにしましょう。

というのも、保管する在庫の数でなく、種類を見直し、削減することで、保管スペースの最適化が可能になるから。在庫は種類ごとに管理することがほとんどであるため、余分な在庫を減らし、その分に空きスペースを生み出すことで、在庫の置き方や保管方法の改善、維持経費や作業工数の削減にもつなげることができるでしょう。

具体的にどういった種類の在庫を削減すればいいかというと、まずは各商品の売れ行きに着目してください。出庫の頻度が少ない、つまり在庫に動きがあまり見られない商品に関しては、仕入れの中断を検討するのがおすすめです。

②作業工程をスリム化する

また在庫削減をするためには、倉庫などの保管現場での作業工程をよりシンプルにするのがおすすめです。作業工程をスリム化することで、在庫状況を常に把握できる環境が作れるからです。

過剰に在庫を抱えてしまっている場合は、「なにが・どこに・どのくらいあるか」が明確になっていないケースが少なくありません。保管方法が煩雑であると、商品の入荷時期を考慮せずに出荷してしまい、結果として商品価値の低下によって廃棄になってしまうことがあります。また、保管場所が曖昧であったが故に、余計に仕入れを行ってしまったという事態も招きかねません。

そのため、現場での保管に関するルールを設定し、社内でしっかりと浸透させることで、在庫管理の業務プロセスをシンプル且つ可視化できるようにする必要があります。

③在庫管理システムを導入する

エクセルや書類など、データ上の在庫情報と、実際の在庫数に差が生じる場合には、「在庫管理システム」の導入の検討もおすすめです。

在庫管理システムとは、入出荷に合わせて商品の在庫情報を自動で管理するシステムのこと。

例えばEC事業者が在庫管理システムを利用すると、倉庫内の在庫状況に合わせてECサイトやECモールの在庫情報も自動で変更させることが可能です。倉庫内の商品の在庫状況も一目で確認することができるため、過剰在庫や在庫欠品が起こってしまうリスクを抑えることができます。

また在庫管理システムによっては、商品の賞味期限までを管理することができるサービスもあるので、倉庫で食品を取り扱っている事業者でも安心して利用することができますよ。

※詳しくは『在庫削減におすすめな在庫管理システム3選』をご覧ください。

在庫削減におすすめの在庫管理システム3選

ここでは在庫削減におすすめの在庫管理システムを3つ紹介していきます。

・EC,通販事業の在庫管理ならmylogi
・製造業や卸売り業の在庫管理ならzaico
・医療業界の在庫管理ならスマートマットクラウド

それぞれ見ていきましょう。

mylogi


mylogiは、当社アートトレーディングが提供する在庫管理システム。

mylogiの強みは、EC・通販事業に特化した在庫管理システムだということ。

バーコードで商品の入出荷作業を管理するだけではなく、ECサイトやECモールの在庫状況を一括してすべて管理することができるところです。(例えば、倉庫の在庫が1つ減った場合に、運営中のECサイトや楽天・Amazonなどのモールの在庫情報も自動的に変更されます。)

また、”複数倉庫管理”という機能も搭載されているため、自社の倉庫だけではなく「ZOZO Town」や「Amazon FBA」などの委託倉庫の在庫情報も一括して管理することが可能です。

料金も月額固定費となるため、すでに出荷量の多い倉庫やこれからどんどん出荷が増えていく予定の倉庫であってもお得に利用することができますよ。

\mylogiについてもっと詳しく知りたいなら/

zaico

zaicoは、株式会社ZAICOが提供する在庫管理システム。特に製造業や卸売業におすすめのサービスです。

zaicoの一番の強みは、とにかく料金が安いこと。QRコード・バーコードのスキャンを使ったバーコード管理が最低月々4,378円から利用することができ、状況に応じでプラス料金で期限管理やピッキングリストの作成など他の機能を追加することが可能です。

またシステムの操作は、スマホで直感的に操作することができるので、初めて在庫管理システムを利用するというスタッフも簡単に使いこなすことができるでしょう。

スマートマットクラウド


スマートマットクラウドは、(株)スマートショッピングが提供する在庫管理システム。特に医療業界におすすめのサービスです。

スマートマットクラウドの最大の特徴は、ゼロクリックで在庫の自動発注ができるというところ。重さで在庫の数を感知する専用のマットを商品の下に引き管理することで、設定した数量を下回ったタイミングで在庫を自動発注することができるのです。

スマートクラウドを利用すれば、通常の在庫管理システムのように、バーコードでスキャンして商品情報を管理する必要がないので、作業時間の短縮やヒューマンエラーを防止することができますよ。

在庫削減を行う手順

保有する在庫を見直し、より適切な数量や品質での管理を目指す在庫削減は、

①現状把握
②適正在庫の算出
③目標数値に基づいた在庫削減

の3段階に分けて行いましょう。

①現状把握

現状把握では、その時点での在庫数や保管方法、商品の品質などの在庫状況に加え、業務フローや現場でのルール、情報管理の仕方など、現場での規則や目に見えない業務やモノ、情報などの「動き」まで確認する必要があります。

というのも、「在庫管理の改善=在庫数の削減」であるとは一概に言い難いからです。業務フローや在庫とそれに関する情報管理など、在庫数以外にも改善の余地があるケースがほとんどです。業務フロー改善や情物の一致を目指す場合は、在庫削減に加えて、従来の管理方法の見直しや在庫管理システムの導入などの施策も挙げられるでしょう。

そのため、保有すべき適切な数値を算出する前に、今一度自社の現場に関して、細部まで把握することが必要となります。

②適正在庫の算出

現状把握を通して、倉庫などの保管現場での課題を洗い出したあとは、自社で抱えている在庫数が適切であるかどうかについて、数値を用いて確認する必要があります。

ここで、根拠のない曖昧な数値のまま在庫の削減を行うと、販売機会の損失などといった、リスクにつながりかねないため、適正在庫を算出することで、明確な数値目標を設定するようにしましょう。

適正在庫とは、企業利益の最大化を目的とした、欠品状態に陥らない、最小限の在庫数を意味します。基本的に、適正在庫は適正在庫=安全在庫+サイクル在庫で求めることができます。

▼安全在庫
「欠品防止」を目的とした最小限の在庫数を意味します。在庫だけでなく、企業の利益最大化を目的とする適正在庫との違いとして、「在庫」により焦点を当てているといえるでしょう。

▼サイクル在庫
発注後から、次回発注するまでの期間に消費する在庫数の半分を意味し、平均需要とそれに対する在庫数を把握することができます。

適正在庫は、年間の平均在庫数との比較が効果的だといわれています。また、適正在庫も、年間もしくはそれよりも短い期間で、定期的に算出することで、常に在庫数の最適化を図ることができるでしょう。

③目標数値に基づいた在庫削減

適正在庫で算出した目標数値を基準に、在庫を削減するための施策を実施します。単に仕入数を減らすだけでなく、リードタイムの短縮や保管方法の変更など、現場全体での改善が必要となることもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
在庫管理は、企業全体の利益に影響を及ぼすことから、大きな役割を果たしています。在庫管理の改善施策を検討するうえで、在庫削減こそが最良の手段であるとは一概に断言することはできかねます。しかしながら、在庫の削減を実施することで、キャッシュフローや保管スペース、人員配置の最適化、商品の品質維持など、多くの効果を期待することができます。ぜひ参考にしてみてください!

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