クラウド型倉庫管理システム(WMS)とは?ECサイト向けシステム4選比較!

クラウド型倉庫管理システムって何?おすすめはどれ?と気になっていませんか。

クラウド型倉庫管理システムとは、インターネットを通じてアクセスできるソフトウェアサービスであり、倉庫の運営と管理を効率化し最適化するためのツールです。

クラウド型倉庫管理システムの中でも、特におすすめのサービスは以下の通り。

・mylogi
・AiR Logi
・COOOLa
・W3SIRIUS

ただし、最適なクラウド型倉庫管理システムを選ぶには、自社サービスの特性にあわせた機能をもつシステムを選ぶべきと言えるでしょう。

この記事では他にも、「クラウド型倉庫管理システムとオンプレミス型・パッケージ型倉庫管理システムの違い」や「クラウド型倉庫管理システム需要が高まっている要因」など、クラウド型倉庫管理システムの情報を網羅的に紹介しています。

是非参考にしてくださいね。

執筆者

佐藤 美樹

アートトレーディング株式会社の専属WEBライター。
ECサイト運営では、SEOやSEM、SNSマーケティングの導入・運用を担当。現在はECサイト運営や物流に関する記事の執筆を行う。

監修者

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
現在は、Shopify Expert Partnerとして、ECサイトの新規出店支援はもちろん、売上改善や業務改善などのコンサルティングを手掛けている。

クラウド型倉庫管理システム(WMS)とは

クラウド型倉庫管理システムとは、インターネットを通じてアクセスできる倉庫管理システムのことです。

クラウド型倉庫管理システム(WMS)がもつ代表的な機能として、「入出庫管理」「在庫管理」「棚卸管理」「返品管理」「帳票管理」が挙げられます。各作業において、モノとそれらに関する情報の一元管理を実現し、データと実物で差異や、その他作業における人的ミスの発生を防ぎます。

人的ミス発生を防止するほかにも、倉庫内での現場作業の効率化や、リアルタイムでの業務の見える化、コスト削減など、WMS導入によるメリットは複数挙げられます。

さらに、クラウド型倉庫管理システムはスケーラビリティが高く、ビジネスの成長に合わせて簡単に拡張できます。これは、企業が新しい市場に進出したり、オペレーションを拡大したりする際に特に有用です。

クラウド型倉庫管理システム(WMS)4選

クラウド型倉庫管理システム(WMS)4選を、それぞれの特徴や料金体系をふまえて比較します。
ぜひ参考にしてみてください!

mylogi


提供会社アートトレーディング株式会社
タイプクラウド型
初期費用0円
ランニングコスト15,000~30,000円/月

◆おすすめポイント

mylogiは、当社アートトレーディングが提供する倉庫管理システム。

mylogiの強みは、商品管理から受注、出荷、在庫管理、配送までの全てのフローをワンストップでカバーできるところ。倉庫管理システムだけではなく、受注管理システムの機能も搭載されていて、ECサイト運営に特化したシステムとなっています。

mylogiは、バーコード検品を行うことで、サイズや色の間違いによるクレームを削減。また在庫誤差もゼロになり、売り越しや売り逃しを防ぎます。

またフリーロケーション管理機能を利用すると、最後の1点まで商品の位置が瞬時に分かり、出荷作業のクオリティとスピードが向上します。

さらに、少ない在庫でも効率的な管理が可能で、初期費用0円で始められる手頃な料金プランも魅力的です。

\ECに特化した倉庫管理システムmylogi/

AiR Logi


提供会社株式会社コマースロボティクス
タイプクラウド型
初期費用35,000円
ランニングコスト30,000円~/月

◆おすすめポイント

AiR Logiは、株式会社コマースロボティクスが提供する倉庫管理システムです。

一番の強みは、低コストでハイクオリティの倉庫管理機能を利用することができるところ。

また、AiR Logiは、無線LANがない環境下でもハンディを利用することが可能です。これにより、どのような状況でも倉庫作業を中断させることなく、効率的作業を行うことが可能です。

そして、ECビジネスの拡大と進化に対応するため、AiR Logiは主要な外部システムやモールとの連携を簡単かつ効果的に行うことも可能です。

COOOLa


提供会社株式会社ブライセン
タイプクラウド型
初期費用要問合せ
ランニングコスト要問合せ

◆おすすめポイント

COOOLaは、株式会社ブライセンが提供する倉庫管理システムです。

このシステムは、リアルタイムの在庫追跡から、注文管理、出荷最適化まで、あらゆる側面で倉庫管理をサポートします。

また直感的なインターフェイスとユーザーフレンドリーな操作性のシステムとなっており、従業員のトレーニング時間の削減が可能。さらに、柔軟なカスタマイズが可能なため、特定の機能が必要になった時に、必要な箇所をカスタマイズすることができるから、思い通りのWMS運用が可能となります。

W3SIRIUS


提供会社株式会社ダイアログ
タイプクラウド型
初期費用要問合せ
ランニングコスト要問合せ

◆おすすめポイント

W3SIRIUSは、株式会社ダイアログが提供するクラウド型在庫・倉庫管理システムです。

このシステムの強みは、物流のビジネスへの高い適応力を持つところ。オムニチャネルやECの多展開に対応できる柔軟性があるところです。

例えばW3SIRIUSは、独自のユニットシステムを採用しているので、複数拠点の在庫統合ビューと一括指示が可能です。これにより、オムニチャネルやToC/ToB同居倉庫に対応できるとともに、ユニット内の個別業務を設定することが可能です。

さらに、W3SIRIUSは、多言語対応や多彩な標準帳票、多業界対応など、多岐にわたる機能を備えています。これにより、お客様の業界や業務要件に合わせたカスタマイズが可能となります。

【倉庫管理システム】クラウド型・パッケージ型・オンプレミス型の違い

倉庫管理システムは「クラウド型」「パッケージ型」「オンプレミス型」に分類することができます。
それぞれ特徴やメリット、デメリットをご紹介します。

クラウド型

クラウド型WMSでは、サーバによって提供されたシステムを、インターネットを介して遠隔からPCやタブレット端末、スマートフォンなどによって利用することができます。メリットとして、「システム構築の必要がなく、導入コストを抑えられる」「導入までがスピーディー」「短期的または中期的な利用ができる」「インターネット環境があれば、場所を問わないため、現場以外の場所からも操作できる」などが挙げられ、導入や運用の手軽さ、シンプルさが目立ちます。

一方で、「オフラインでは利用できない」「システムのサーバを自社で管理できない」「システムのバージョンアップなど、外的要因に左右される」「カスタマイズ可能な範囲が限定されている」などといった懸念点も挙げられます。

数多くのシステムが提供されているWMSを選定する際には、上記3タイプから絞り込むことが必要となります。自社で抱える課題や目的を明確にすることで、コストや使用したい期間導入にかかる操作のシンプルさセキュリティ運用開始までのスピードなどから重視する点を洗い出し、それぞれ優先順位を設定していくと、スムーズな選定が可能になるでしょう。

パッケージ型

パッケージ型WMSでは、ベンダーによって既に構築されたソフトウェアを購入し、自社のPC等へインストールすることで、システムを利用します。メリットとして、「短期または中期的な利用もできる」「システム導入までの時間を削減できる」が挙げられます。

パッケージ型WMSのデメリットとしては、「カスタマイズ可能な範囲が限定されている」「システム導入に伴い、社内で既に使用しているシステムや、業務フローの変更が必要になるリスクもある」「ソフトウェアのバージョンアップなど、外的要因に左右される」などが挙げられます。

最近では、インターネットの普及に伴い、次にご紹介するクラウド型システムが浸透していることで、パッケージ型WMSの需要が減ってきていることも事実です。

オンプレミス型

オンプレミス型WMSでは、自社のニーズや業務フローに合わせて、一からシステムを構築します。
メリットとして、「自由にカスタマイズできる」「システムやソフトウェアなどを自社で管理できる」「外部要因に左右されることなく、安全性が高い」などが挙げられます。

一方で、「構築にコストがかかる」「システム構築に多大な時間を要するため、運用開始までに時間がかかる」「短期または中期的な使用には向いていない」など、デメリットも挙げられます。とりわけ、システムを一から構築するオンプレミス型WMSを導入する場合は、システム構築を外部委託するケースが多く、売上が確立されている大規模のECサイトや倉庫を有している事業者におすすめであるといえるでしょう。

クラウド型倉庫管理システム(WMS)の需要が高まっている要因

オンプレミス型、パッケージ型、クラウド型のWMSの中でも、近年ではとくにクラウド型WMSの需要が高まっています。実際に、オンプレミス型で構築した、既存のWMSを、そのままクラウド化するというケースもしばしば見受けられます。

柔軟なカスタマイズが可能なオンプレミス型や、既存ソフトウェアを利用するパッケージ型の中でも、クラウド型WMSが注目される要因は以下の通りです。

①コストパフォーマンスが高い

クラウド型WMSでは、導入の際に初期費用が発生しないシステムも多数存在します。多くのシステムでは、ECサイトや倉庫、商品の数量などに合わせた複数のプランが用意され、「月額固定制」もしくは、件数に応じて価格が変動する「従量課金制」の2つの料金体系が主流となっています。

そのため、クラウド型でありながら、自社のニーズや状況に合わせたシステムを、比較的低価格で利用することができます。

②カスタマイズの自由度も上がってきている

オンプレミス型と比較すると、カスタマイズの柔軟性が劣るクラウド型ですが、各社が提供するオプション機能を随時追加することで、従来よりも自由な機能の拡張が可能になっています。さらに、受注管理システムや在庫管理システムなどといった、その他の外部システムや、出店または出品しているECモールとの連携に関しても、多くのシステムで対応することができます。システム選定時に、自社の既存システム等の連携の可否を確認するようにしましょう。

③ネット環境さえあれば遠隔からの利用が可能

ソフトウェアの自社PCへのインストールが必須なパッケージ型や、オンプレミス型と比べ、インターネット環境さえあれば利用できるクラウド型WMSは、遠隔からの操作も可能です。そのため、倉庫などの現場と、事務所等が離れている場合であっても、常にリアルタイムで在庫情報などを確認、管理することができます。

また、利用するシステムやプランによって、使用できる管理者数が制限されているケースがほとんどですが、クラウド型WMSであれば、複数人でシステムを管理することが可能であるため、より容易にそして、確実に情報共有を行うことができます。

④導入前にお試しで利用できる

クラウド型WMSであれば、短期的または中期的な利用も可能です。そのため、ECサイト等での売上向上に伴い、倉庫など現場での業務が煩雑化し、「とりあえずWMSを使ってみたい」というご担当者様でも気軽に利用することができます。

さらに、システム導入前に、無料トライアルサービスを提供しているシステムも多く、実際に使用できる点も、クラウド型WMSの強みであるといえるでしょう。無料トライアルであるため、短期間の使用になりますが、自社に合っているかどうかを見極めたり、別途必要または不要な機能を認識したりできるため、スムーズな導入、効果的な運用が可能であるといえるでしょう。

クラウド型倉庫管理システム(WMS)と物流管理システムの違い

物流に関連するシステムは複数あり、WMSもその一つとなります。物流管理システムとWMSの違いとして、「網羅できる業務範囲」が挙げられます。

物流管理システムは、商品の仕入れや生産から、顧客への配送までに発生するモノや情報、業務を管理するシステムで、「倉庫管理システム(WMS)」と「配送管理システム(TMS)」に分けられます。つまり、WMSは、一種の物流管理システムであり、その中でも、倉庫内で発生するモノや情報、業務の管理を行います。

クラウド型倉庫管理システム(WMS)導入のステップ

クラウド型倉庫管理システム(WMS)導入のステップは、以下の通りです。

1.システムの選定を行う
2.契約を行う
3.システム導入を行う
4.スタッフへの研修を行う
5.運用を行う

それぞれ順を追って見ていきましょう。

1.システムの選定を行う

まず最初のステップはシステムの選定です。

この段階では、自社ビジネスの特定の要件と目標を深く理解し、それに適したシステムを選ぶことが重要です。

提供サービスによって異なるWMSの機能と特性を比較し、自社ビジネスのニーズに合ったものを選ぶようにしましょう。

また、このタイミングで導入にかかるコストとROI(投資回収期間)を確認し、予算を設定しておくと安心です。

2.契約を行う

導入するクラウド型倉庫管理システムが決定したら、契約を行いましょう。

契約の際は、事前に以下の内容を確認しておくと、後々のトラブルを避けることができ安心です。

・将来的にシステムを拡張できるか
・他システムとの連携について
・サポート内容や、導入時のトレーニング方法について
・料金構造とコストについて
・契約期間や解約に関する条件とポリシーについて

3.システム導入を行う

次に、システム導入を行います。

システム導入では、まずデータ移行が行われます。このプロセスでは、既存のデータ(例えば商品データや在庫データなど)を新しいシステムに移行します。この際、データの整合性と正確性を保つことが非常に重要です。

その後、システムの設定とカスタマイズが行われます。ビジネスの特定の要件に適合するようにシステムを調整し、必要に応じて特定の機能やツールをカスタマイズします。

最後に、他システムとの統合が行われます。たとえば、ECサイトやOMSなどのシステムと連携させることで、データの一貫性と流動性を保つことが可能です。

4.スタッフへの研修を行う

続いて、スタッフへの研修が行われます。

この段階では、スタッフが新しいシステムを効果的に使用できるようにトレーニングプログラムを作成し、実践的なトレーニングを提供します。

初期の段階でスタッフに倉庫管理システムの操作をレクチャーしておくことで、導入後の作業をスムーズに行うことが可能です。

5.運用を行う

最後のステップはシステムの運用です。

この段階では、システムが日常的に運用され、業務に組み込まれます。システムのパフォーマンスを定期的にモニタリングし、必要に応じて調整を行うことで、システムを常に最適な状態を保つよう心がけましょう。

また、スタッフからのフィードバックを収集し、システムの改善を行うことも必要です。

アップデートとメンテナンスを定期的に行い、システムが長期間にわたって効果的に機能するよう努めましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
近年、構築までのスピードや、高いコストパフォーマンスなど、多くのメリットを有するクラウド型倉庫管理システム(WMS)の導入が増えてきています。選定時には、導入目的や、解決したい物流課題を明確にすることに加え、無料トライアル期間を利用してお試しでの使用も効果的です。ぜひ参考にしてみてください!