BtoCビジネスの特徴・適切なマーケティング手法とは?BtoBやCtoCとの違い・成功事例もご紹介!

ビジネスモデルやマーケティング手法について検討する際に、よく聞くのがBtoBやBtoCなどの用語だと思います。BtoBとの比較やBtoCの特徴を理解して、適切なマーケティングを行いましょう!今回は、BtoCの特徴やマーケティングの種類を、成功事例やECとの関連も併せてご説明します。

この記事を監修した人

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
現在は、Shopify Expert Partnerとして、ECサイトの新規出店支援はもちろん、
売上改善や業務改善などのコンサルティングを手掛けている。

BtoBとBtoC、そのほかの種類

BtoBとは?

「Business to Business」

簡単に言えば、企業対企業の取引のことを言います。卸売業者と小売業者、元請け業者と下請け業者など、企業間で行われる取引で比較的商品単価が高いことが特徴です。購入までに時間はかかるものの、市場規模は大きくなります。また継続的な取引関係が構築することが多いため、収益の安定が見込まれます。

BtoCとは?

「Business to Consumer/Customer」

企業と消費者の間での取引を意味します。普段の買い物や食事といった、消費者が代金を支払い、企業が直接商品やサービスを提供するような取引がBtoCです。BtoBと比べれば受注単価は低いですが、買い手は多いため、商品やサービスをより多く売り上げられるかが重要になります。

BtoEとは?

Eとは「Employee」の略です。つまり従業員のことで、自社の従業員も消費者にしてしまうというビジネスモデルです。社員食堂やオフィスコンビニなどが例として挙げられます。通常よりも安価での提供をするなど、福利厚生の一部としても捉えられます。

CtoCとは?

一般の個人間で行われる取引を指します。近年、成長しているマーケットであり、多方面で注目されています。ネットオークションやフリマサイトのように、インターネットやSNSの普及と進化により急速に発展しているビジネスモデルです。CtoCビジネスは“シェアリングエコノミー”とも呼ばれ、個人の資産を商品として販売するという形態を取っています。

DtoCとは?

DtoCとは「Direct to Consumer」の略であり、企業が仲介業者を介さず、直接消費者に向けて販売を行う形態を指します。、ECサイトの普及により、メーカー企業が従来のように小売業者などの販売力に頼らずとも、自社ECサイトでの商品販売が可能になったことで、最近注目され始めています。

BtoCの特徴

企業間取引であるBtoBで重視されるのは、「利益の追求」です。そのためBtoBでは、商品のコストパフォーマンスや機能についてを数字で表し、その合理性が購入の決め手になります。しかし、BtoCの場合では一般消費者が重視する点が企業とは異なってきます。

特徴その①その時の感情や感覚が決め手になる

例えば、お気に入りのブランドやデザインだったり、「広告で見て気になったから」という理由だったりと、合理的かではなく感情や感覚によって購入の是非が決まります。ブランドイメージを洗練させる、感情に訴えかけた広告をつくるなどの施策が効果的になってきます。

特徴その②購入までの期間が短い!

BtoCでは、消費者の意思決定はその時の感情が大きく影響します。そのため購入までの検討期間も短くなってくるので、消費者の購買意欲が上がったタイミングで購入できるような仕組み作りも重要になってきます。

特徴その③見込める消費者数が大きいので、マーケティング手法はオンラインが効果的!

レビューマーケティングやSNSマーケティングなど、安価でかつ効果的な施策が行えるのも特徴です。BtoBに比べればリピート注文の割合は低いので、その分マーケティングにより顧客を増やす努力が重要になってきます。対象顧客数が大きいことはメリットと言えますが、個々人バラバラでの購入となるためニーズの把握が難しいです。

BtoCのマーケティング法

数多くあるマーケティング手法の中から、BtoCビジネス向けの手法をご紹介します。

・マーケティングオートメーション(MA)

マーケティングオートメーション(MA)とは、見込み客を顧客に育成していくためのデジタルマーケティングを、手助けしてくれるツールのことです。顧客がどのページをどれくらい見て遷移しているのか、何に興味を抱いているのかなどの顧客情報を収集し、蓄積することができます。そして、それらの情報を分析し適した施策を自動で起こしてくれます。顧客の興味関心に合わせ、最適なタイミングでの情報提供が可能になり、収益の向上も見込めるツールです。

リードナーチャリング

リードナーチャリングとは、見込み客の育成です。リードナーチャリングは、まだ顕在化していない見込み客のニーズやウォンツを育成して、顕在顧客にするプロセスのことです。リピート数は少ないが対象顧客数が莫大であるBtoCビジネスにおいて、新規顧客の育成であるリードナーチャリングは重要な考え方です。そして、このリードナーチャリングを的確かつ機動的に行うために、必要不可欠な存在がマーケティングオートメーションなのです。

・SNSマーケティング

不特定多数の個人をターゲットにしているBtoCビジネスにおいて、SNSは情報を発信し、届けるツールとして最適であると言えるのではないでしょうか。BtoCの短い購買サイクルにおいてインフルエンサーや多くの他人の「評価」は意思決定に大きな影響を与えます。「リツイート」や「シェア」機能は、これらの影響をさらに肥大化させることができるでしょう。また、誰でも気軽にアカウント運営を始められることから、コストパフォーマンスの良い広告を打つことも可能です。種類も豊富なSNSですから、自社のターゲット層と各SNSの利用者層を照らし合わせながらのマーケティング手法が有効です。

・コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、お客様に向けて興味や関心を持ってもらえるコンテンツを作成し、顧客行動を喚起するマーケティング手法です。動画やブログなど、いろいろな形のものがありますが、見込み顧客獲得のため作成されたものであればコンテンツマーケティングと呼ぶことができます。何か気になるものがあり、そのことについてネットで検索しているところを想像してみてください。そこには興味をさらに惹かれるコンテンツがあり、商材の紹介ページまでの導線があれば、見込み客にスムーズに自社商品をアピールすることが可能でしょう。

アーンドメディア

アーンドメディアとはSNS広告のことです。アカウントのツイートや投稿内容から、個別に親和性の高い広告をを表示することで、広告効果を高めます。

・レビューマーケティング

SNSマーケティングと同じように、他人の評価が影響力を持つという点を利用したマーケティング手法となります。顧客は、自社商品の購入者によるレビューやインターネットメディアの記事などを参考に、商品の購入を検討します。なかなかレビューが増えなかったり、誹謗中傷がまぎれていたりもするので、レビューを増やすためにクーポンをプレゼントするなど、工夫も必要になります。

BtoCの成功事例

「株式会社良品企画」

無印良品の株式会社良品計画が運営しているのが、「くらしの良品研究所」です。アイテムに関連する豆知識などを発信するコラム中心ですが、メディア内には「IDEA PARK」という、新商品のリクエストなどを受け付けているコーナーが設けられています。ここに投稿されたリクエストにはスタッフが直接返信をし、より顧客とのつながりを深めるためのコンテンツマーケティングとなっています。

「花王株式会社」

花王株式会社が運営するマイカジでは、家事に特化した情報を掲載しています。注目すべきなのがカテゴライズ方法で、洗濯や掃除など家事の分類や、「テキパキ」や「シェア」など、顧客のほしい情報をより顧客目線で分類しています。そして、記事の最後に自社の関連商品を紹介することで、商品の購入にもつなげています。

「株式会社マネーフォワード」

一般個人向けの家計簿アプリや、個人事業主や中小企業向けの各種会計ソフトを提供する株式会社マネーフォワードでは、「MFクラウド」というオウンドメディアで会計に関する記事を発信し、見込み顧客の顧客化につなげています。また、記事下に設置したバナーに誘導することで見込み顧客を獲得する方法に成功しています。

BtoCはECに強い!?

ECの分野におけるBtoCは「BtoC-EC」と呼ばれます。消費者向けのネットショップや動画・音楽配信サイトなどがBtoC-ECに該当し、国内のBtoC-EC市場規模は2019年で約19.4兆円となっています。前年の18兆円、一昨年の16.5兆円と比べてもどんどん進展してきていることがわかります。日本国内のEC化率は6.76%とまだまだ低めですが、右肩上がりに増加していますから、これからも成長が見込める産業だということがわかります。

また、キャッシュレスの流れが与える影響も大きく、今では多くの消費者がECでのキャッシュレス決済を利用しています。キャッシュレスとネットショッピングは切り離せない関係にあり、今後キャッシュレスが普及していけば、顧客獲得にもECが重要になってくるでしょう。

さらに、現在では新型コロナウイルスの流行により、感染予防の観点からも実店舗よりも人の手を介さない・出歩かなくて良いECでの買い物の需要が伸びています。今後、新しい日常下では、EC化率はどんどん上昇していくだろうと予想されます。

まとめ

BtoCビジネスの面白いところは、顧客の率直な感想を聞けるという点ではないでしょうか。対象顧客数が多い分顧客のニーズもバラバラで、すべてのニーズを把握し答えていくことはとても労力を必要とすると思います。しかし、そんなBtoCビジネスでも、ツールやマーケティング手法を取り入れて改良を重ねた末に、多くの顧客から嬉しい声をいただいた際には大きなやりがいを感じられることでしょう。今後、新しい施策やトレンドが生まれてくると思いますが、それらも敏感に察知して柔軟に取り入れていきましょう。

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