「グローバルサプライチェーン」を順を追って解説!課題や事例もわかりやすくご説明します。

物流の需要が高まる現在、サプライチェーンの見直しが注目されています。そして、ビジネスが国外に展開していく中で、サプライチェーンにも海外拠点が含まれるようになってきています。現状のグローバルサプライチェーンには、まだまだ改善の余地があったり、世界レベルでのリードタイム短縮も可能であったりと、今後も重要なキーワードになり得るでしょう。今回は、そんなグローバルサプライチェーンについて、意味や特徴をわかりやすく解説します。グローバルSCMの課題解決方や事例についても簡単に説明します。

グローバルサプライチェーンとは?

サプライチェーンとSCMとは?

サプライチェーンとは、製品の原材料・部品の調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の流れのことを言います。日本語で言うと「供給連鎖」です。

そして、このサプライチェーンを、最適化に向けて管理することをサプライチェーン・マネジメント(SCM)といいます。SCMでは、原材料や部品の確保から最終消費者に至るまでの、商品の流れと情報の流れまでに関する全ての活動を、統合して管理します。トータルの在庫削減、物流合理化を図ることが目的です。

SCMでは、サプライチェーン全体の効率化に向けて、それぞれのプロセスを別々に管理するのではなく、一連の流れとして捉えます。余剰在庫の削減、適正な生産体制の整備を行い、コストを削減することで付加価値を高め、顧客満足度を向上させる狙いもあります。

 

グローバルサプライチェーンが示すのは?

グローバルサプライチェーンは、サプライチェーンの仕組みを国内にとどまらず、海外にある拠点も選択肢に入れて実施することです。グローバルサプライチェーンは、サプライチェーンが国内完結から国外へ展開されるようになっていることを示しています。

市場や生産拠点のグローバル化に伴ない、サプライチェーンを最適化する上で海外企業の存在を含めてSCMを行う必要が出てきました。各プロセスを依頼できる企業の選択肢が全世界に広がり、今やサプライチェーンは、国内完結型から完全現地型までの幅で、多パターンの複雑なシステムとなっています。

 

グローバルサプライチェーンの特徴

グローバルサプライチェーンで物流を世界レベルで最適化

サプライチェーンが全世界に広がることは、全世界レベルの時間とコストの最適化に繋がります。リードタイム短縮やコスト削減のために、無数のプランニングオプションの中から最適なものを選ぶことができるのです。実施には世界各国の売上、サービス、開発などあらゆる情報を一元管理する必要があり、各国のデータを統合するなどの対応も必要となります。

 

グローバルサプライチェーンで物流の構造的課題を見直す

グローバルサプライチェーンの特徴は、大規模の最適化だけではありません。これまでのグローバルビジネスには、貿易遮断や工場封鎖、地政学的緊張や国家主義的政策など、サプライチェーンの予測困難な寸断リスクが多くありました。これらのサプライチェーンの脆弱性ともいえる問題に、強化対策をとっていくのもグローバルSCMの一環と言えます。

 

グローバルSCMのもたらすメリット

リードタイムの削減

リードタイムとは作業開始から終了までの時間を指す言葉です。SCMにおいてリードタイムの短縮は、工数削減や在庫リスク減少などと関連が強くとても重要な指標になります。グローバルSCMにより、世界中の企業から一番リードタイムが短縮できる企業を探すことができます。よりスピーディーに、ニーズの高い商品を市場へ供給することが可能になるのです。

 

在庫管理の最適化

倉庫に在庫が余ると、在庫管理にコストがかかり、在庫が足りなければ販売機会を逃してしまいます。在庫は企業の資産ですから、適切に現金化できることが望ましいです。グローバルSCMにより、多過ぎず少な過ぎない在庫管理の最適化に近づきます。

 

売上の最大化・コスト削減

リードタイムの削減と在庫管理の適正化によって販売機会の損失を無くし、キャッシュフローを改善できれば、売上向上にも繋がります。また、在庫管理や不必要な工数にかかっていたコストも削減することができます。グローバルSCMに取り組むことで連鎖的にメリットを享受できると言っても過言ではないでしょう。

 

サプライチェーンの強化が叶う

取引先が一か所に依存していると、そこが稼働負荷になったとたん自社も共倒れになってしまいます。供給不能になる要因は災害やストライキなど予測困難であり、それが海外であればなおさらです。グローバルSCMで、シナリオ建てながら計画を作成することで、万が一の時にも崩れないサプライチェーンを目指せます。

 

グローバルサプライチェーンと新型コロナウィルス

グローバルサプライチェーンは、新型コロナウィルスの流行により、今までのビジネスモデルを根本的に見直していく必要に迫られました。新型コロナウィルスにより物流業界では、、世界規模で蔓延しているため異常事態が長期間続き、供給面・需要面の両面からダメージを受けました。

また、感染症対策による工場封鎖・交通の遮断・衣料品や日用品の買占めなど、現状のグローバルサプライチェーンの脆弱性も浮き上がって来ました。最大の問題はサプライチェーンそのものの分断で、特定の国やサプライヤーに供給を依存しすぎていた場合のリスクがあらためて浮き彫りになりました。

 

グローバルサプライチェーンの課題解決のために

 

①環境を整える

グローバルSCMでは、拠点の配置や供給ルートの決定など世界各国の拠点や取引先、顧客の情報をより細やかにコントロールし、即応性や柔軟性をさらに高めていく必要があります。そのためにも、組織全体のIT環境においても連携・最適化できる環境が必要になるのです。システム化による組織全体の効率化とも言い換えられます。

 

②シナリオプランニング

災害・パンデミックなどが発生した場合に、サプライチェーンにどのような影響があるか具体的なシナリオを立てることで、具体的なイメージをもってアクションプランを検討することができます。サプライチェーンのどこでリスクが高いのかなど、リスク管理が不足している点を特定することがポイントです。

また、平時からこうしたシナリオを立てて対策を練っておくことで、有事の際に、在庫データや顧客情報などのリアルタイムの情報に基づいて、最適な判断を素早く下すことが可能になります。

 

 ③ グローバルサプライチェーンの脆弱性を分析

グローバルサプライチェーンの脆弱性を分析しておくことで、より効果的な強化施策を検討することができます。まずは、グローバルサプライチェーンという流れそのものを可視化してみます。海外拠点がどのような機能を持っていて、その機能が停止した場合どのような影響があるのかを把握します。代替不可の特別な工程等の把握など、拠点・機能としての重要性を見極めることが重要です。

次に、グローバルサプライチェーンの弱いところを特定します。対象範囲は、モノの流れだけでなく、人・お金・情報・権利等の目に見えないものも含め、それぞれにリスクを抽出して脆弱性を特定していきます。そして、特定した脆弱性に優先順位をつけていくことで、どれから強化施策に取り組めばいいかがわかります。

 

 ④サプライチェーン強化対策検討

強化施策の例を挙げてみます。

強化施策例・調達先の多元化

・被害の軽減策(耐震設備や感染症患者の隔離用設備等)

・被害の復旧策(安否確認やバックアップサイトの設置、工場の分散等)

・デジタル活用(工場の自動化・無人化等)

 

グローバルサプライチェーンの複雑性から考えて、リスクマネジメントにおける予測は、なかなか難しいことではあります。サプライチェーン全体だけでなく各プロセスの細部まで、リスクへの対策を想定しておくことが重要です。

 

グローバルサプライチェーン事例

 

トヨタ自動車

トヨタ自動車といえば、海外市場で活躍しているイメージをお持ちになると思います。トヨタ自動車の生産計画は、生産と営業販売が一体となり策定する精度の高い月度生産計画を軸に、各市場の特性と需要動向に応じて微調整を施すという仕組みです。そんなトヨタ自動車は、近年グローバル・サプライチェーンのスリム化を目指し、現地での生産・調達を積極的に推し進めています。しかし、中には現地生産にコストがかかりすぎる部品等もあります。これらを最適化するために、同社が取り組んだのが「リンク生産」です。リンク生産とは、海外の生産拠点間をネットワークで結ぶことで、情報と物流の共有をかなえ、必要な資材・部品の生産・調達を相互補完し合える体制です。ネットワークで情報共有をすることにより、各国の市場変化や需要変動に対応でき、最適生産・最適調達を実現しています。

参照:ナビパラ.コム「グローバル・サプライチェーンの展開で、ますます重要な役割を担う国際物流」

セイコーエプソン株式会社

プリンターなどのウエアラブル機器や半導体など、多岐にわたる事業をグローバルに展開するセイコーエプソン株式会社では、事業の強みである、コア技術やそれを活用した完成品を自社で開発~販売するという垂直統合型ビジネスモデルをさらに強化すべく、グローバルSCMに取り組んでいます。事業、国内外を問わずすべての拠点を対象に、あらゆるフェーズにおけるIT基盤の共通化を行うことで、全ての関係者が共通基盤上で製品情報をスピーディに確認できるように環境を整える、グローバルレベルでシステムの再構築、再配置を伴う統合を進め、バリューチェーン全体の最適化を目指す、などが行われています。また、セイコーエプソン株式会社では、出荷国の環境や事情に合わせて、1つの製品を国ごとにローカライズした製品、同梱物、保証書などを定義し、製品バリエーションの管理も行っています。

参照:NEC「セイコーエプソン株式会社様 事例の詳細」

まとめ

生産拠点を海外に広げると、コストが下がったり企業規模が拡大したりメリットも多いですが、その分複雑化しリスクも増加します。グローバルサプライチェーンのリスクマネジメントは複雑ですが、最適化の努力次第でチャンスに代わります。今後、情報を共有し同期化をすすめて可能性を広げることは、国際競争力をつけるという面においても重要になってくるでしょう。

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