エシェロン在庫とは?ブルウィップ効果も含めて解説します。

Last Updated on 2021年9月7日 by art-mylogi

在庫管理は倉庫業界において大きな課題です。
在庫管理の解決に重要になるのが「エシェロン在庫」という考え方です。
今回は「エシェロン在庫」やそれに関連した「ブルウィップ効果」なども含めて解説いたします。

この記事を監修した人

藤井 玲

2002年に楽天市場へ出店したことをきっかけに、EC支援サービスの提供をスタート。
累計18年、150社以上のサイト制作、運営経験を持つ。
一部上場企業のECサイトを10年間運営した経験から、運営全般、フルフィルメントの知見が豊富。
現在は、Shopify Expert Partnerとして、ECサイトの新規出店支援はもちろん、
売上改善や業務改善などのコンサルティングを手掛けている。

エシェロン在庫とは

「エシェロン」とは階層のことを指し、「エシェロン在庫」とは、ある特定の物流センターや店頭だけの在庫ではなく、サプライチェーン全体での在庫を指します。
また、ある在庫点から見た場合、自店舗の在庫も含めたサプライチェーン全体の川下に位置する在庫点の在庫量の総和という定義もあります。

エシェロン在庫を活用するメリット①「在庫管理が難しい場合に対応可能」

在庫管理を行う際に、ある特定の企業の在庫の増減を行うと、他の企業の在庫がその反動でさらに増減させてしまうことがあります。この場合、在庫管理が「部分的な最適解」になってしまい、全体としては解決しないという事態が発生してしまいます。

このような課題が在庫管理に存在するため、「エシェロン在庫」の考え方が重要になってきます。エシェロン在庫の考え方を活用するメリットの1つ目はこのように「在庫管理が難しい場合に対応可能である」ということです。

「在庫」を「エシェロン在庫」として考えると、ある特定の企業の在庫管理ではなく、サプライチェーン全体での在庫管理になります。これにより、在庫管理において「部分的な最適解」ではなく、「全体としての最適解」を見つけることができます。このように、「エシェロン在庫」という考え方は在庫管理の課題を解決する方法として期待されています。

エシェロン在庫を活用するメリット②「マルチエシェロン在庫最適化」

エシェロン在庫を活用するメリットの2つ目は「マルチエシェロン在庫最適化」です。「マルチエシェロン在庫最適化」とは在庫を保管型倉庫(DC)に集約するのではなく、メーカーからDC、小売など各段階にわたって在庫を分散させて、サプライチェーン全体を効率化する考えのことを指します。

「マルチエシェロン在庫最適化」のメリットは店舗側の需要予測だけでなく物流センターなどの中間拠点でも受注データなどを用いて需要予測を行い、メーカーや店舗の需要予測と整合させることで全体を反映した需要予測モデルを構築できるというメリットがあります。

エシェロン在庫活用における小売店の問題点と今後の課題

後半部分で詳しく解説しておりますが、「ブルウィップ効果」という現象があります。ブルウィップ効果とは販売現場でのわずかな需要変動がサプライチェーンの川上になればなるほど、末端の大きな需要変動が増幅されて伝わる現象のことです。

その川上にあたる部分がメーカーで、川下にあたる部分が小売店になります。小売店の需要変動の予測が後々になってから他に影響を与えていくので、小売店の需要変動の予測の大きなズレはエシェロン在庫の活用において問題点になります。
エシェロン在庫においては、「需要変動の予測のズレをいかに無くしていけるか」が今後の課題として挙げられます。

エシェロン在庫の情報を開示することの重要性

全体の在庫を削減するためには、各段階の在庫を開示する必要があります。各段階での在庫の情報を把握しなければ、各段階で在庫数のずれが発生してしまい、需要予測の精度が悪くなってしまいます。
そのため、卸売業、小売業、メーカーでそれぞれ情報を開示、共有する必要があります。

エシェロン在庫の費用を計算する際のポイント

エシェロン在庫の費用を計算する場合には押さえておきたいポイントが3つあります。

エシェロン在庫の費用を計算するときのポイント1.「エシェロン在庫費用=各在庫店舗とそこに供給する川上の在庫店舗との在庫費用の差」であるということ。
2.メーカー(外部)の在庫費用は0とするということ。
3.川下側(需要側)に行くに従って在庫費用は増加するということ。

この3つです。
エシェロン在庫の費用を計算する際はこの3つのポイントを適切に利用することができればうまく計算できるでしょう。

エシェロン在庫においてブルウィップ効果が発生する原因

ブルウィップ効果とは販売現場でのわずかな需要量の変動がサプライチェーンの川上になればなるほど、末端の大きな需要変動が増幅されて伝わる現象のことです。
ブルウィップとは牛などの家畜用に使うムチのことを指します。
川下から川上に向かうにつれて需要変動が増幅する様子が、牛にムチをふるう様子に似ていることからブルウィップ効果と呼ばれるようになりました。

ブルウィップ効果が発生する理由には「顧客の需要予測が正確ではない」「川上業者が需要変化に対して過剰に反応してしまう。」「リードタイムがある」「川上にいくほど需要変動の原因が不透明になる」などが挙げられます。

ブルウィップ効果が発生した場合、コストの増加や流通が遅れることによる購入機会の喪失が発生してしまいます。そのため、ブルウィップ効果を回避することが重要になってきます。

ブルウィップ効果を軽減させる方法

ブルウィップ効果を軽減させる方法としては「サプライチェーンの企業同士の垂直的統合の実施」「不良在庫や流通が遅れることによる購入機会の喪失を防ぐSCM(サプライチェーンマネジメント)体制の実施」「リードタイムの短縮」「必要なものを必要な量だけ生産し供給するジャストインタイム生産方式の導入」などが挙げられます。

これらの方法を適切に用いることができれば、ブルウィップ効果を軽減させることができるでしょう。

まとめ

この記事では、エシェロン在庫とは何かやメリット、エシェロン効果に関連して発生するブルウィップ効果などについてご紹介致しました。
エシェロン在庫の考え方は、在庫管理において多くの問題を解決することが可能なため、現在物流業界において期待されています。

適切にエシェロン在庫の考え方を用いて管理することで、ブルウィップ効果を軽減し、在庫管理の問題解決に繋がるでしょう。
この記事がエシェロン在庫について知るきっかけになれば幸いです。

関連記事

・在庫管理を成功させる『見える化』とは?メリットや改善事例について解説!
・在庫分析とは?方法や、在庫最適化を目指すために管理すべき指標を解説します
・余剰管理と滞留在庫の違いとは?問題点や対処法、在庫管理における改善策についてまとめました

倉庫管理や費用でお悩みの方へ

このようなお悩みをお持ちの企業ご担当者様へ

▶︎受注と物流が別管理なので煩わしい

▶︎売り上げが伸びてきたので、人力での管理に限界を感じている。

▶︎既に受注管理システムを導入しているが、どこか物足りなさを感じ、本当に自社に合ったサービスを探している。

▶︎物流管理にかかるコストを圧縮したい

EC運営実績豊富なアートトレーディング社だからこそ開発できた、物流~受注管理システムmylogiであれば、そのようなお悩みをオールインワンで解決可能です。

少しでもご興味お持ちになられましたら、ぜひご相談くださいませ。

ECサイト運営 アートトレーディングサービス紹介動画